会社の雰囲気的に有休が取りづらい…申請しても快く取らせてもらえない…ということがあると思います。この記事では、法律で有休取得についてどのような定めがあるか、ご紹介します。
有休申請は拒否できない
従業員には、有休の「時季指定権」があります。有休申請があった場合、会社は拒否することができません。
労働基準法 第39条 5項 使用者は、前各項の規定による有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない。ただし、請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる。
黄色のマーカーの部分のように、どうしてもやむを得ない場合は会社側にも「時季変更権」があります。ただ、一般社員が1日休んだくらいで、会社全体としての事業の「正常な運営を妨げる」ようなことはほとんど無いはずです。加えて、時季変更権はあくまで有休の取得日を変更できるだけの権利なので、「有休取得はダメだよ」と会社側が言うことはできません。
年5日有休取得できていないと罰金30万円
会社は、年10日以上有休が付与される従業員について、必ず年5日以上取得させなければいけません。これに違反した場合、従業員1人につき30万円以下の罰金が科せられます。
有休は取得する何日前までに申請すればいいの?
何日前までに言わなければ取得できない、という決まりは法律にはないので、会社の就業規則に沿うことになります。就業規則は全従業員がいつでも確認できるものなので、万一まだ見たことがなければ、一度目を通してみましょう。
有休取得による不利益な取扱いも違法
「あいつは有休ばっかり取って、仕事のやる気がないんだな」という風に会社で不利益を被ることがあれば、それも違法です。
労働基準法 第136条
使用者は、第三十九条第一項から第四項までの規定による有給休暇を取得した労働者に対して、賃金の減額その他不利益な取扱いをしないようにしなければならない。
有給休暇は、適法に労働の義務が免除される日なので、欠勤とは全く性質が違います。出勤率を出す時にも有休取得日は出勤扱いになりますし、普段の業務効率を上げるためにも、堂々と取得すべきものです。
会社がまともに有休を取らせてくれない時は
一つの方法は、証拠を揃えて会社の最寄りの労働基準監督署へ通報することです。匿名の電話などで簡単に通報できれば気楽ですが、残念ながらそうはいかないようで、少し手間がかかります。
他の方法は、そもそも職場を変えて、違法行為を行う会社から離れることです。こちらも手間はかかりますが、コンプライアンス意識の低い会社が根本から変わるのは難しそう…と考えると、より良い方法かもしれません。
いずれにせよ、法律を味方にして、しっかり休める環境を手に入れましょう!